ギター文化館DIARY

ギター文化館での日々の出来事をつづった日記。その日のゲスト、お客様の声等も載せていこうと思います。

2007-12

ようやくアップできます

遅くなりましたが、12月22日に行われたフリーコンサートの写真館ができました、ご覧下さい。

フリーコンサートのページ


そして12月24日には村治奏一さんのギターリサイタルが行われました。
村治奏一2007-1

前半は古典ものを中心に、ソルやタレガ、レゴンディーの名曲をはじめ、ジャズや武満、バリオスなどまで非常にバラエティーに富んでいるものの、ものすごくよく考えられたコンサートだなぁと感じました。

スペインの歌「カチュチャ」によるカプリスOp.13/N.コスト
幻想曲と華麗なる変奏曲Op.30/F.ソル
アルハンブラの想い出/F.タレガ
序奏とカプリス/J.レゴンディ

我が心よ君故に/M.ポンセ
過ぎ去りしトレモロ/A.バリオス
シャル・ウィ・ダンス?/J.ガーシュイン
オーバー・ザ・レインボー/武満徹
フェリシダーヂ/A.C.ジョビン

A列車で行こう/B.ストレイホーン
ア・ミ・マドレ/A.バリオス
ラメントス・ド・モロ/A・サルディーニャ

今回は2本のギターをもってきて、前半の古典ではその2本を使用して、音の違いを楽しませてくれました。

村治奏一2007-3

技術もさることながら、昨年の演奏に比べ、ぐっと厚みというか深みを増した演奏になっていた気がしました。素晴らしくて思わずうっとりとします。

本当に素晴らしいギタリストが日本の将来を明るくしてくれますね、これからが本当に楽しみです。

来年も来てくれるそうですので、みなさん毎年村治奏一さんの「進化」を見守ってみてはいかがでしょう。

会場貸しのイベントが盛り沢山!

12月15日・16日の土日は会場貸しのイベントが続きました。

まず15日は昨年も行われました、丹羽紗絵さんのヴァイオリン・リサイタルでした。
昨年の「BWV1004シャコンヌ」の演奏はまだ耳に残っています。

丹羽紗絵コンサート2007-1

今年も、素晴らしい演奏を聴かせていただきました。
エルガーの愛の挨拶から始まって、クライスラーなどの名曲をつなぎ、聞き慣れた浜辺の詩なども演奏されとても聞きやすい、しかし十分な内容での演奏会だったと思います。昨年にも増して良い演奏が聴けて、観客も満足の一言でしょう。

丹羽紗絵コンサート2007-2

来年もギター文化館でコンサートして下さいね。


そして日曜日はことば座の今年最後の公演。

ことば座1216-1

ことし、定期的に計6回の公演をギター文化館で行い、聾唖の舞姫小林さんの舞いにも磨きがかかり、美しくも大きな舞いに引き込まれます。

ことば座1216-2

今回の演目は、朗読舞と物語舞いでした。
物語は「緋桜怨節」(ひざくらうらみぶし)と言う名前で、八郷に古い歴史をもつ「薬師古道」を舞台に近藤さんが新たに書き下ろした物語です。首を探してさまよえる3人の男と、薬師堂を守る老婆を巡る物語で、なかなかに深い人間の情念を映し出した物語でした。

来年は6回の公演を予定しており、偶数月の公演となります。
ますます素敵に洗練される小林さんの舞いを一度見られてはいかがでしょうか?


ヴァイオリンから朗読舞まで様々な催しがギター文化館で行われ、ホールの可能性を拡げてくれます。どんどん色々な催し、ギターに限らず、音楽に限らず、文化発信の場所として発展していけたらと願います。


さ、来週は村治奏一さんのコンサートで年間コンサートスケジュールは終了ですね。

ボリス・ガケール・コンサート

日曜日は、先週に引き続きコンサート

またまた素晴らしい演奏を聴かせて下さいました。
「ボリス・ガケール」さんのコンサートでした。
ボリス・ガケール1

ボリス・ガケールさんはベルギーのギタリストで、あのアサド兄弟の弟子、その作曲・編曲能力だけでなく、演奏能力も各地で高い評価を受けています。
あの大萩康司さんの新しいアルバムのなかで大萩さんとDuoを録音したり、ボリスさんが作曲した曲が演奏されたりしています。作曲家としても日本の福田進一さんなど様々なギタリストから高い評価を受けています。

ボリス・ガケール2

演奏会プログラムは、ボサノバの巨匠「バーデン・パウエル」や「ルイス・ボンファ」などのボサノバ・スタンダード・ナンバーから、師匠アサド兄弟の曲、ボリス・ガケール作曲の曲、はたまたリュートの巨人「シルビウス・レオポルド・ヴァイス」のリュート曲にまで、幅広く昨今聞かなかったような、素敵なプログラムでした。

作曲家や、師匠の名前を聞いても分かりますが、南米ブラジルの音楽をそのバックグラウンドに色濃く見せた内容で、その演奏を聴いてもヨーロッパの人と言うことを忘れて、きっとこの人はラテン人だと思ってしまうような演奏でした。素晴らしい・・・。

そのギターテクニックも格別でしたが、その表現力も目を見張ります。
先週のギタリスト「ササ・デバノビッチ」さんも素敵なバッハを演奏してましたが、このボリスさんが演奏する「ヴァイス」も素晴らしいものでした。

プログラムの中で「ヴァイス」だけがドイツでバロックで他のプログラムとはまるで毛色が違う様に感じますが、途中にそういったリズムが違う音楽を入れることで、逆に飽きることのない演奏会だったと思います。

しかし「オブリガード」というボリスさんの作曲した曲は、見てもすごい。
これはCDで聞くよりも、コンサート会場で見た方が良い曲ですね。もちろん音楽性が乏しいと言うことではありません。よくギターのボディーをタップすることで、パーカッションの役割をする演奏が組み込まれた楽曲はよくありますが、この曲はそんなものではありません、ギターの各所、表面板のネックそば、ブリッジそば、横板など違うタップ音が出るところを絶妙に叩き分けて、これがギターの音楽か?と思わせるほど音楽が広がっています。きっとこれは聴いているだけでは伝わらないでしょう、見なければ。
この曲を聴いて・見て、ギターという楽器の可能性が広がったように感じたのは私だけでは内と思います。それだけでも価値のあるコンサートでした。
ボリス・ガケール3

ベルギーの王立音楽院で講師も務めているので、そう頻繁に日本に来るわけには生きませんが、次来たときはまたどんなプレイを見せてくれるのか非常に楽しみです。

世界は広いな・・・と感じたコンサートでした。

すばらしい演奏

日曜日は、ボスニアのギタリスト「ササ・デヤノビッチ」さんのリサイタルでした。

ホーム・ページや以前の記事では「ササ・デノビッチ」さんと紹介しましたが、本人から「ササ・デノビッチ」でお願いしますと言われました。ボスニアの方で、スペイン語読みするとは思いませんでしたが、どう発音するかは、難しいですね。

ササ・デヤノビッチ1

バッハの演奏では定評あり・・・という触れ込みでしたが、どんな物でしょう・・・昨日11弦ギターであるアーティストの素晴らしいバッハの演奏を聞いたばかりだからな・・・などと思ってましたが、なんのなんの、これは・・・という素晴らしい演奏でした。

・フーガBWV1000/J.S.バッハ
・魔笛の主題による変奏曲/F.ソル
・リュート組曲1番BWV996/J.S.バッハ
・トロンコ ラマ−オーハス(木の枝・葉)/ビスチョフ
・最後のトレモロ/A.バリオス
・郷愁のショーロ/A.バリオス
・大聖堂/A.バリオス

演奏曲目はシックな古典・バロック中心で、現代曲もありましたが、どの演奏もまるで始めて聞くような印象のものばかりで、世界でも絶賛を浴びると言う演奏も肯けました。

特に、日本初演となった「トロンコ ラマ−オーハス」という曲は、なかなかに複雑な現代曲で聴きごたえ抜群でした。ビスチョフというオーストリア人の作曲家が、ササ・デヤノビッチのために書き下ろした作品だそうです。副題に「ササ・デヤノビッチに捧ぐ」とありました。

その他の曲は良く聴くスタンダードなギターナンバーばかりですが、どれも素晴らしいササ・デヤノビッチ独特の演奏アレンジでした。
魔笛の主題による演奏曲に至っては、各所に装飾音がちりばめられていて後のインタビューでは「19世紀ギター」での演奏をイメージしていると言っていました。なるほど・・・

とくにこういうスタンダードな曲の演奏では、自分独特な演奏になるように心がけているとか・・・、すばらしい演奏でした。他の演奏家が同じように原曲にアレンジを加えてしまうと、押しつけがましい嫌味な演奏になりがちなことがあると思いますが、彼の演奏はそうではありませんでしたね、どうすれば観客が楽しんでもらえるか、を考えているような演奏でした。

ササ・デヤノビッチ2

バッハも、フーガ、リュート組曲となめらかに音楽が流れて、その音楽がとてもなまめかしいというか、色気のある演奏でした。聞いてて心地がよいものでした、各所で好評を浴びるわけが十分すぎるほど分かります。

ササ・デヤノビッチ3

ボスニアはご存じ内戦が続いた国、サッカー日本監督のイビチャ・オシム監督の出身国と同じです。内戦下ではなかなか音楽の勉強も難しく、ドイツやスペインに行って勉強したそうです。そんな話しもしてくれました。

素敵な演奏会でしたね・・・また日本に来て欲しい一人でしょう。

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