進化し続ける村治奏一恐るべし!!観客総ノックアウトされてしまった演奏会でした。
- 2016/10/31
- 17:16

急に秋の寒さが増した昨日。10月最終日曜の昼前。
ボランティアスタッフ西尾さん石岡駅お迎えでギター文化館入り。
村治奏一さんは、黒のトレンチコートを着て、ギターケースを背負って爽やかに現れた。
おしゃれ💛
本日の使用楽器は、ヘルマン・ハウザーII世(1959年製)。
「ハウザーⅠ世の軽さを残しているⅡ世。父子競作とも言われています。今日はこれで」
今日は、初めてホールに暖房を入れた。
いよいよ開演。
【第一部】
Akira Nishimura: TAMAYURA
西村朗:玉響[9:00]
何だろう、この響き。
タイトルの「たまゆら(玉響)」は、勾玉同士が触れ合ってたてる微かな音のことだという。
転じて、「ほんのしばらくの間」「一瞬」(瞬間)、あるいは「かすか」を意味する古語だそうだ。
まさに、村治の奏でる「たまゆら」の音色に館内が静まり返る。
Johann Sebastian Bach: Prelude and Allegro BWV998
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:プレリュードとアレグロBWV998[7:00]
当館の観客は(特にクラシックギターリサイタルの場合)、マニアが多い。
何度もいろいろな演奏家のバッハを聞いている。
今日の鳴りはどんな鳴りなのか、どんな風に表現するのか・・・
村治奏一のバッハが鳴り響く。
Stanly Myers: Cavatina
スタンリー・マイヤーズ:カヴァティーナ(映画『ディア・ハンター』)[4:00]
初めてのお客様にも楽しめる選曲。ナイス!
Antônio Carlos Jobim: A Felicidade
アントニオ・カルロス・ジョビン:フェリシダーヂ(ローラン・ディアンス編)[4:30]
美しい。
Federico Mompo: Suite Compostelana
フェデリコ・モンポウ:《コンポステラ組曲》より[15:00]
I. 前奏曲 II. 賛美歌 III. 叙唱 IV. 歌 V. ムネイラの踊り
深い。
・・・・・・・・・休憩15分・・・・・・・・・・・
【第二部】
François Couperin: Les Baricades Misterieuses, Les Tours de Passe-Passe
フランソワ・クープラン:神秘的なバリケード、手品[6:30]
完璧な演奏。
Roland Dyens: Libra Sonatine
ローラン・ディアンス:《リブラソナチネ》より[10:30]
I. インティア II. フォーコ
たまらない。
Soichi Muraji: Rainbow
村治奏一:虹[4:00]
マニア以外の観客をも楽しませる選曲。配慮。
Dai Fujikura: Chance Monsoon
藤倉大:チャンス・モンスーン[5:30]
音色で、モンスーンを表現。感動。
Kunihiko Murai: Wings to Fly
村井邦彦:翼をください(村治奏一編)[4:00]
心震わす。
Soichi Muraji: Kodama Sketch
村治奏一:コダマスケッチ[3:00]
熊野古道を歩いた、あの頃を思い出す。木々の緑、鳥の声、水の音・・・
アンコール:アルハンブラの思い出
こんなアルハンブラ、今まで聴いたことがない!
👏👏👏 👏👏👏 👏👏👏 👏👏👏 👏👏👏
繊細な感性で超絶テクニックを静謐の中で奏でる。。。とのイメージがあったが、
今回の演奏は、ダイナミックで、エネルギッシュで、センシティブ。
「変わりましたよね?」
「日々あれこれと試行錯誤しています。奏法も(以前と)自然に変わってきたと思います」
村治奏一ギタリストの進化を実感し、満足感いっぱいで皆さん帰途に着かれた演奏会でした。
「(村治さん)また来ようね」
入口を出たお客さまどうしの会話が聞こえてきました。


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